2015年度 小中公開研究会報告

2015年12月02日

11月28日(土)、今年度の小中公開研究会が行われました。1時間目は全クラスが授業公開、2時間目は提案のある教科のみの授業でした。教員を目ざす大学生の参加も多く、また関西や広島など遠くからこの日のために来てくださった先生方もいらっしゃいました。

(左)9年現代文の授業(漱石の『坊っちゃん』をグループごとに分析、発表していました)  (右)8年数学の授業(元絵をスクリーンに投影する装置を用いて、合同変換・拡大変換・方向拡大変換の導入)  ともに、興味深い内容でした。

3階8年の廊下の掲示板には、国語B(吉川教諭)の実践『本のPOP作り』が、2階7年の掲示板には、学年の取り組み『本の紹介』が貼られていました。

4階9年の廊下に掲示されていた「現代文」(山口教諭)の実践『草書・篆書を書写する』

今年の全体会は、慶応大学教授(教育方法学)の佐久間亜紀氏をお迎えしました。教育・学力のとらえ方についての世の中の動向、その中にあってこれから目ざすべき方向性について示唆に富むお話をうかがうことができました。

<OECDのいう学力とは、テスト学力ではなく、もっと包括的で全人的な資質や能力のことだという。民族や宗教や文化が異なる人々が、対話をしつつ共に生きていく道を探るための力だという。この学力観は、明星学園をはじめ日本の民間運動がずっと追求してきた学力観と共通している。ただし、これらの学力観は、社会がどんな子どもを必要としているか、これからの時代がどういう子どもを必要としているか、という視点からまとめられている。本当に大切なのは、そうではなく子どもの側からの学力論である。> 今、経済界を中心に大きな入試改革・授業改革のうねりが起こっています。一見もっともなことばで語られます。しかし、何のための学力か、誰のための学力か、明星学園は常にその点に敏感であったはずです。時代とともに変わっていかなければならないものもあります。しかし、変えてはいけないもの、それを見分ける力が問われます。

<学力は、生活=人とのつながりのなかで発揮される。子どもが求めているのは「わからないよ」といえる人とのつながり(自分で考えて行動する力)であり、子どもが必要としているのは「助けて」といえる人とのつながり(他者とかかわる力)、つまり出された問題に解答する力よりも、生活の中で問いをたてる力が必要とされるのだ> 明星の授業は、『失敗を認められる授業場』があって、はじめて成立します。「わからない」といっても馬鹿にされない教室の関係作りを大切にしない限り、いくら立派な授業案もこと明星においては、何の意味も持ちません。公開研究会で授業を公開するというのは、授業者にとっては勇気のいることであり、とても大切なことなのです。

午後の各教科の分科会、授業検討会でも佐久間氏の提言があちことで話題に上ったようです。

午後の分科会。今年度の中学校は社会科・数学科・体育科で行われました。私は専門外の社会科の分科会に参加、テーマは『東アジアの視点を入れた日本近代史の授業をどのように作るか?』繁田教諭の提案授業は、一枚の絵画資料(日清戦争中に清国で作成された日清戦争の様子を描いた版画)を分析・観察していくというものでした。生徒たちは、絵の情報だけではなく、以前に学習したこと、教科書や資料集の情報などを駆使し、絵解きをしていったようです。参加者からも生徒たちの発想の素晴らしさについて感想が出ていました。ただ、授業者からは「せっかくの生徒たちの意見を、うまく膨らませてあげることができなかった!」ここにこそ、研究会の意味があるように思います。

(中学校副校長 堀内雅人)

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